最終更新日:2024.02.14
なぜいま静的ページが注目されるのか?
WordPressは世界で最も使われているCMSだといいます。そのシェアは世界中の全ウェブサイトの中でおよそ43%にものぼり、日本ではその倍近くはあるのではないかといわれるほどです。
参考:WordPressの市場シェア (2011-2022): Kinsta
WordPressはHTMLが書けない方でも簡単にページの作成・更新ができ、管理画面上であらゆる管理ができ、世界中の人が作ったプラグインで機能拡張ができます。自由度と拡張性、そこが魅力のひとつです。
そんなWordPressでも、当然、デメリットがあります。では、デメリットって?
WordPressのデメリットについて
WordPressはPHPで動いており、記事として入力されたものがページとして出力されるまでに、HTMLのみのページよりもタイムラグが生じます。
サイトの規模や画像の量が多ければ多いほどそのラグは大きくなり、なかなかサイトが表示されずイライラするということもあるでしょう(データベースにデータを読みにいくからです)。
古いプラグインを使っていたため新しいバージョンのWordPressと互換性がなく、裏側でエラーが多発していて、結果としてサーバ自体が重くなることもあります。
また、世界で最もシェアが高いということは、すなわち脆弱性が見つかった場合、狙い目になるということです。
ある程度スキルを持った人であれば、ウェブサイトにWordPressが使われているかどうかは(隠さない限り)分かるので悪意の対象となります。
サイトを公開したきりアップデートや保守管理をせず放置した結果、サイトが改ざんされて大変なことになった……というのはよく聞く話です。
そのようなリスクを考えたときに出てくるのが、既存のWordPressを活かしながらの静的化という選択肢なのです。
PHPで表示するのではなくHTMLページとしてしまうことで上記のデメリットを概ね解消することができます。
サーバーへの負荷が減り、サイトも格段に軽くなり、セキュリティレベルも上がります。
WordPressを静的化するには
それでは、WordPressの静的化にはどのような方法があるのでしょうか。
プラグインをインストールして静的ファイルを生成する
色々なプラグインがありますが、更新が止まっているプラグインなどもあるので、現在インストールされているWordPressのバージョンを確認したうえで既存のプラグインやカスタマイズと干渉しないものを選びましょう。
どんなものがあるのか知りたい方は、WordPressのプラグインページで「static(静的)」などで検索してみるとよいでしょう。
できたファイルをまるごとサーバへアップロードする
静的なHTMLの生成には時間がかかりますが、ファイルをアップロードするだけで完了しますから難しくはありませんし、サイトは格段に高速化したのではないでしょうか。
離脱率も減り、大きな心配事が消えたことで、これからはコンテンツの中身を充実させることに注力できますね。
静的化のデメリットについて
もちろんメリットばかりではありません。デメリットもあるため、事前に確認しておきましょう。
- 大体どのプラグインを使用して生成に時間がかかる ⇒ サーバスペックによるところも大きいですが、素早く生成できる感じではありません。
- ページ内検索ができない
- WordPressのプラグインで作ったお問い合わせなどのフォームは使えない ⇒ 別途PHPなどでフォームを作る必要があります。
- 日本語のURLには対応していないことがほとんど
- 更新回数の多いリアルタイム性が要求されるコンテンツには不向き
- 静的ファイルをアップロードする手間がある
- コンテンツを修正した場合は、再度HTMLへの変換とアップロードが必要
静的化に向いているサイトについて
- 企業サイトなどの小規模なサイト
- 滅多に更新しないサイト
- 動的なコンテンツ(サーバーから何かの情報を取ってきて常に最新のものを表示する、など)がないサイト
- 中規模だけど、セキュリティリスクを極力下げたいサイト
- 「更新は月に1回だけ」と、まとめて更新しているサイト
このようなサイトは静的化に向いていると思います。
例えば、こまめに更新するリクルートサイト以外は静的化してしまい、リクルートサイトのみ切り分けて動的なCMSで運営する、といった手段も考えられるでしょう。
WordPressサイトのセキュリティレベルを上げたいという方や、既存のWordPressを活かしたままウェブページの高速化をはかりたいという方で、どこから着手したらいいかわからないという方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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