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WordPressサイトをAWSに引っ越したい(移行したい)

現在、レンタルサーバで運用中のWordPressサイトを、AWSに引っ越したいと考えております。移行方法について概略を教えていただくことは可能ですか?

最終更新日:2022.11.22

Director

レンタルサーバやオンプレミス環境で運用しているWordPressサイトを、AWSに移行したいというご要望はよく聞きます。AWSのコストメリットや自由度を求めてのことでしょう。既存WordPressサイトのAWSへの移行方法はいくつかありますので、以下を参考にしてください。

回答者:エンジニア

AWS(Amazon Web Services)は、最も知名度のあるクラウドサービスのひとつです。

AWSにはたくさんのサービスがあり、そのサービスを利用してWordPressの動作環境を構築することも可能です。

AWSでのWordPress動作環境の構築とは

WordPressが動作する環境は、サーバOSに加えて、Webサーバソフトウェア(ApacheやNginx)、データベース管理システム(MySQLやMariaDB)、スクリプト言語(PHP)といったミドルウェアが揃った環境です

レンタルサーバはそのすべてが用意されていますが、AWSでは、必要なサービスを組み合わせて自前で用意しなくてはいけません

組み合わせの種類は、要件に合わせて決めていきます。

いくつかパターンをご紹介します。

AWS EC2 + RDSで構築

EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)は、クラウド上に仮想サーバを構築できるサービスです。AMI(Amazon Machine Image)というOSやアプリケーションなどのテンプレートを選択することで、利用したい環境を素早く立ち上げることができます。

ここでは、AMIの中でもLinux環境を構築できる「Amazon Linux 2」を選択します

ApacheやPHPなど必要なミドルウェアは自前でインストールします。

RDS(Relational Database Service)はリレーショナルデータベースが構築できるサービスです。MySQLなどのデータベースを作成できます。

自動バックアップ機能やセキュリティパッチなど、データベースに関する便利な機能が利用できます。

RDSを利用することで、EC2側ではデータベースにリソースが使われないため、その分のサイトパフォーマンスが向上します。

将来的には、サイトへの同時アクセス数が増えてきたら、EC2を水平スケーリングして負荷分散を行うことが可能です。

また、このように機能によってサービスを分けることで、冗長化を行うことも可能です。

冗長化とは障害発生に備えて、同じ構成の予備のシステムを用意しておくことです。

ただ、利用するサービスの数が多くなるほど、運用にかかる費用は高くなってしまいます。

AWS EC2の「Amazon Linux 2」で構築

「AWS EC2 + RDSで構築」と同様にEC2のAMIは「Amazon Linux 2」を利用して、必要なミドルウェアは自前でインストールしますが、RDSは利用せずにEC2にインストールしたMySQLを使って構築します。

この場合、サイトへの同時アクセス数が増えても水平スケーリングはできませんが、中小規模のサイトであれば十分な場合も多々あります

RDSを利用しない分、運用の費用が抑えられます。

一つの環境で構築するので、クラウドといえど、環境はVPS(仮想専用サーバ)と似たようなものになります。

構築の手順は、AWSの公式サイトに掲載されているチュートリアルが参考になります。

チュートリアル: Amazon Linux 2 での WordPress ブログのホスト

AWS EC2の「KUSANAGI 9 for AWS」で構築

EC2のAMIとして「KUSANAGI 9 for AWS」を利用して構築します。

「KUSANAGI」は、プライム・ストラテジー社が提供する超高速CMS実行環境のことです。

「KUSANAGI 9 for AWS」を利用することで、高速にチューニングされたWordPress環境をEC2上に構築することができます。

「AWS EC2 + RDSで構築」と同様にRDSを利用することも可能です。

KUSANAGI 9 for AWS

【おすすめ】AWS Lightsail で構築

AWSのVPSサービスであるLightsailを利用してWordPressを構築します。

Lightsailでは、WordPressが動作する環境とWordPress本体も含んだパッケージが用意されているので、自前でのインストールは不要です。そのため、構築費用が抑えられます

また、AWSのサービスは従量課金制のものが多く、利用するほど費用が増えてしまいますが、Lightsailは固定価格なので予算が立てやすいというメリットがあります。しかも、EC2と比べると低価格に設定されています。

水平スケーリングはできませんが、スナップショットを利用してEC2に移行することができるので、サイト規模が大きくなりアクセス数が増えてきたら、EC2に移行し、さらにデータベース部分は切り離してRDSに移行するなど、AWSのサービス内でスケールすることも可能です。

LightsailとEC2の比較の詳細は、下記の公式サイトでもご確認いただけます。

Amazon EC2 と Amazon Lightsail を比較する

構築方法の選び方

最初にも書きましたが、AWSには様々なサービスがあり、その組み合わせは、要件に合わせて決めていきます。

例えば、代表的なものになりますが、下記の中で、特に重視するものはどちらになりますか?

  • 大量アクセスでも落ちないサイトにしたい
  • サイトパフォーマンスを上げたい
  • 安価にサイトを運用したい

AWSに引っ越すことで、何を実現したいかを決めて、目的を具体化することが大切です

AWSへの移行について、お困りごとやご依頼がございましたら、ぜひご相談ください。

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WordPressサイト改修のための事前チェックシート

安全に効率よくWordPressサイトを「改修」するためのポイントをまとめました。

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CONTENTS

企業の方の相談

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個人事業主様のWordPressサイトのお悩みは、大別すると4つのジャンルに分けられます。

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その他

どこのカテゴリーに収めたらよいか迷った「お悩み」をこちらにまとめました。

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