最終更新日:2024.10.22
AWS(Amazon Web Services)は、最も知名度のあるクラウドサービスのひとつです。
AWSにはたくさんのサービスがあり、そのサービスを利用してWordPressの動作環境を構築することも可能です。
AWSでのWordPress動作環境の構築とは
WordPressが動作する環境は、サーバOSに加えて、Webサーバソフトウェア(ApacheやNginx)、データベース管理システム(MySQLやMariaDB)、スクリプト言語(PHP)といったミドルウェアが揃った環境です。
レンタルサーバはそのすべてが用意されていますが、AWSでは、必要なサービスを組み合わせて自前で用意しなくてはいけません。
組み合わせの種類は、要件に合わせて決めていきます。
いくつかパターンをご紹介します。
AWS EC2 + RDSで構築
EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)は、クラウド上に仮想サーバを構築できるサービスです。AMI(Amazon Machine Image)というOSやアプリケーションなどのテンプレートを選択することで、利用したい環境を素早く立ち上げることができます。
ここでは、AMIの中でもLinux環境を構築できる「Amazon Linux 2」を選択します。
ApacheやPHPなど必要なミドルウェアは自前でインストールします。
RDS(Relational Database Service)はリレーショナルデータベースが構築できるサービスです。MySQLなどのデータベースを作成できます。
自動バックアップ機能やセキュリティパッチなど、データベースに関する便利な機能が利用できます。
RDSを利用することで、EC2側ではデータベースにリソースが使われないため、その分のサイトパフォーマンスが向上します。
将来的には、サイトへの同時アクセス数が増えてきたら、EC2を水平スケーリングして負荷分散を行うことが可能です。
また、このように機能によってサービスを分けることで、冗長化を行うことも可能です。
冗長化とは障害発生に備えて、同じ構成の予備のシステムを用意しておくことです。
ただ、利用するサービスの数が多くなるほど、運用にかかる費用は高くなってしまいます。
AWS EC2の「Amazon Linux 2」で構築
「AWS EC2 + RDSで構築」と同様にEC2のAMIは「Amazon Linux 2」を利用して、必要なミドルウェアは自前でインストールしますが、RDSは利用せずにEC2にインストールしたMySQLを使って構築します。
この場合、サイトへの同時アクセス数が増えても水平スケーリングはできませんが、中小規模のサイトであれば十分な場合も多々あります。
RDSを利用しない分、運用の費用が抑えられます。
一つの環境で構築するので、クラウドといえど、環境はVPS(仮想専用サーバ)と似たようなものになります。
構築の手順は、AWSの公式サイトに掲載されているチュートリアルが参考になります。
チュートリアル: Amazon Linux 2 での WordPress ブログのホスト
AWS EC2の「KUSANAGI 9 for AWS」で構築
EC2のAMIとして「KUSANAGI 9 for AWS」を利用して構築します。
「KUSANAGI」は、プライム・ストラテジー社が提供する超高速CMS実行環境のことです。
「KUSANAGI 9 for AWS」を利用することで、高速にチューニングされたWordPress環境をEC2上に構築することができます。
「AWS EC2 + RDSで構築」と同様にRDSを利用することも可能です。
【おすすめ】AWS Lightsail で構築
AWSのVPSサービスであるLightsailを利用してWordPressを構築します。
Lightsailでは、WordPressが動作する環境とWordPress本体も含んだパッケージが用意されているので、自前でのインストールは不要です。そのため、構築費用が抑えられます。
また、AWSのサービスは従量課金制のものが多く、利用するほど費用が増えてしまいますが、Lightsailは固定価格なので予算が立てやすいというメリットがあります。しかも、EC2と比べると低価格に設定されています。
水平スケーリングはできませんが、スナップショットを利用してEC2に移行することができるので、サイト規模が大きくなりアクセス数が増えてきたら、EC2に移行し、さらにデータベース部分は切り離してRDSに移行するなど、AWSのサービス内でスケールすることも可能です。
LightsailとEC2の比較の詳細は、下記の公式サイトでもご確認いただけます。
Amazon EC2 と Amazon Lightsail を比較する
構築方法の選び方
最初にも書きましたが、AWSには様々なサービスがあり、その組み合わせは、要件に合わせて決めていきます。
例えば、代表的なものになりますが、下記の中で、特に重視するものはどちらになりますか?
- 大量アクセスでも落ちないサイトにしたい
- サイトパフォーマンスを上げたい
- 安価にサイトを運用したい
AWSに引っ越すことで、何を実現したいかを決めて、目的を具体化することが大切です。
AWSへの移行について、お困りごとやご依頼がございましたら、ぜひご相談ください。
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レンタルサーバやオンプレミス環境で運用しているWordPressサイトを、AWSに移行したいというご要望はよく聞きます。AWSのコストメリットや自由度を求めてのことでしょう。既存WordPressサイトのAWSへの移行方法はいくつかありますので、以下を参考にしてください。